第一款 療養の給付並びに入院時食事療養費、特定療養費及び療養費の支給(第63条―第87条)/健康保険法


(大正十一年四月二十二日法律第70号)

社会保険に戻る
法令ユビキタスに戻る


最終改正:平成一四年一二月一三日法律第152号

(最終改正までの未施行法令)
平成十四年八月二日法律第103号(未施行)
 

     第一款 療養の給付並びに入院時食事療養費、特定療養費及び療養費の支給

(療養の給付)
第63条  被保険者(老人保健法(昭和五十七年法律第80号)の規定による医療を受けることができる者を除く。以下この条、第85条、第86条、第88条及び第97条において同じ。)の疾病又は負傷に関しては、次に掲げる療養の給付を行う。
 診察
 薬剤又は治療材料の支給
 処置、手術その他の治療
 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
 食事の提供である療養(前項第5号に掲げる療養と併せて行うものに限る。以下「食事療養」という。)に係る給付及び被保険者の選定に係る特別の病室の提供その他の厚生労働大臣が定める療養(以下「選定療養」という。)に係る給付は、同項の給付に含まれないものとする。
 第1項の給付を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる病院若しくは診療所又は薬局のうち、自己の選定するものから受けるものとする。
 厚生労働大臣の指定を受けた病院若しくは診療所(第65条の規定により病床の全部又は一部を除いて指定を受けたときは、その除外された病床を除く。以下「保険医療機関」という。)又は薬局(以下「保険薬局」という。)
 特定の保険者が管掌する被保険者に対して診療又は調剤を行う病院若しくは診療所又は薬局であって、当該保険者が指定したもの
 健康保険組合である保険者が開設する病院若しくは診療所又は薬局
 第1項の給付(厚生労働大臣が定める療養に係るものを除く。)は、介護保険法第48条第1項第3号に規定する指定介護療養施設サービスを行う同法第7条第23項に規定する療養病床等に入院している者については、行わない。

(保険医又は保険薬剤師)
第64条  保険医療機関において健康保険の診療に従事する医師若しくは歯科医師又は保険薬局において健康保険の調剤に従事する薬剤師は、厚生労働大臣の登録を受けた医師若しくは歯科医師(以下「保険医」と総称する。)又は薬剤師(以下「保険薬剤師」という。)でなければならない。

(保険医療機関又は保険薬局の指定)
第65条  第63条第3項第1号の指定は、政令で定めるところにより、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により行う。
 前項の場合において、その申請が病院又は医療法(昭和二十三年法律第205号)第7条第2項第4号に規定する療養病床を有する診療所に係るものであるときは、当該申請は、同項に規定する病床の種別(第4項第2号及び次条第1項において単に「病床の種別」という。)ごとにその数を定めて行うものとする。
 厚生労働大臣は、第1項の申請があった場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、第63条第3項第1号の指定をしないことができる。
 当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、この法律の規定により保険医療機関若しくは保険薬局に係る第63条第3項第1号の指定又は第86条第1項第1号に規定する特定承認保険医療機関に係る同号の承認を取り消され、その取消しの日から五年を経過しないものであるとき。
 当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、保険給付に関し診療又は調剤の内容の適切さを欠くおそれがあるとして重ねて第73条第1項(第85条第9項、第86条第12項及び第13項、第110条第7項並びに第149条において準用する場合を含む。)の規定による指導を受けたものであるとき。
 前2号のほか、当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、保険医療機関又は保険薬局として著しく不適当と認めるものであるとき。
 厚生労働大臣は、第2項の病院又は診療所について第1項の申請があった場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その申請に係る病床の全部又は一部を除いて、第63条第3項第1号の指定を行うことができる。
 当該病院又は診療所の医師、歯科医師、看護師その他の従業者の人員が、医療法第21条第1項第1号又は第2項第1号に規定する厚生労働省令で定める員数を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定した員数を満たしていないとき。
 当該申請に係る病床の種別に応じ、医療法第7条の2第1項に規定する地域における保険医療機関の病床数が、その指定により同法第30条の3第1項に規定する医療計画において定める基準病床数を勘案して厚生労働大臣が定めるところにより算定した数を超えることになると認める場合(その数を既に超えている場合を含む。)であって、当該病院又は診療所の開設者又は管理者が同法第30条の7の規定による都道府県知事の勧告を受け、これに従わないとき。
 その他適正な医療の効率的な提供を図る観点から、当該病院又は診療所の病床の利用に関し、保険医療機関として著しく不適当なところがあると認めるとき。

(保険医療機関の指定の変更)
第66条  前条第2項の病院又は診療所の開設者は、第63条第3項第1号の指定に係る病床数の増加又は病床の種別の変更をしようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該病院又は診療所に係る同号の指定の変更を申請しなければならない。
 前条第4項の規定は、前項の指定の変更の申請について準用する。

(地方社会保険医療協議会への諮問)
第67条  厚生労働大臣は、保険医療機関に係る第63条第3項第1号の指定をしないこととするとき、若しくはその申請に係る病床の全部若しくは一部を除いて指定(指定の変更を含む。)を行おうとするとき、又は保険薬局に係る同号の指定をしないこととするときは、地方社会保険医療協議会の議を経なければならない。

(保険医療機関又は保険薬局の指定の更新)
第68条  第63条第3項第1号の指定は、指定の日から起算して六年を経過したときは、その効力を失う。
 保険医療機関(第65条第2項の病院及び診療所を除く。)又は保険薬局であって厚生労働省令で定めるものについては、前項の規定によりその指定の効力を失う日前六月から同日前三月までの間に、別段の申出がないときは、同条第1項の申請があったものとみなす。

(保険医療機関又は保険薬局のみなし指定)
第69条  診療所又は薬局が医師若しくは歯科医師又は薬剤師の開設したものであり、かつ、当該開設者である医師若しくは歯科医師又は薬剤師のみが診療又は調剤に従事している場合において、当該医師若しくは歯科医師又は薬剤師について第64条の登録があったときは、当該診療所又は薬局について、第63条第3項第1号の指定があったものとみなす。ただし、当該診療所又は薬局が、第65条第3項又は第4項に規定する要件に該当する場合であって厚生労働大臣が同号の指定があったものとみなすことが不適当と認めるときは、この限りでない。

(保険医療機関又は保険薬局の責務)
第70条  保険医療機関又は保険薬局は、当該保険医療機関において診療に従事する保険医又は当該保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師に、第72条第1項の厚生労働省令で定めるところにより、診療又は調剤に当たらせるほか、厚生労働省令で定めるところにより、療養の給付を担当しなければならない。
 保険医療機関又は保険薬局は、前項(第85条第9項、第86条第13項、第110条第7項及び第149条において準用する場合を含む。)の規定によるほか、船員保険法、国民健康保険法(昭和三十三年法律第192号)、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第128号。他の法律において準用し、又は例による場合を含む。)又は地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第152号)(以下「この法律以外の医療保険各法」という。)による療養の給付並びに被保険者及び被扶養者の療養並びに老人保健法による医療、入院時食事療養費に係る療養及び特定療養費に係る療養を担当するものとする。

(保険医又は保険薬剤師の登録)
第71条  第64条の登録は、医師若しくは歯科医師又は薬剤師の申請により行う。
 厚生労働大臣は、前項の申請があった場合において、当該医師若しくは歯科医師又は薬剤師がこの法律の規定により保険医又は保険薬剤師に係る第64条の登録を取り消され、その取消しの日から五年を経過しないものであるとき、その他保険医又は保険薬剤師として著しく不適当と認めるものであるときは、同条の登録をしないことができる。
 厚生労働大臣は、保険医又は保険薬剤師に係る第64条の登録をしないこととするときは、地方社会保険医療協議会の議を経なければならない。
 第1項又は第2項に規定するもののほか、保険医及び保険薬剤師に係る第64条の登録に関して必要な事項は、政令で定める。

(保険医又は保険薬剤師の責務)
第72条  保険医療機関において診療に従事する保険医又は保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師は、厚生労働省令で定めるところにより、健康保険の診療又は調剤に当たらなければならない。
 保険医療機関において診療に従事する保険医又は保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師は、前項(第85条第9項、第86条第13項、第110条第7項及び第149条において準用する場合を含む。)の規定によるほか、この法律以外の医療保険各法又は老人保健法による診療又は調剤に当たるものとする。

(厚生労働大臣の指導)
第73条  保険医療機関及び保険薬局は療養の給付に関し、保険医及び保険薬剤師は健康保険の診療又は調剤に関し、厚生労働大臣の指導を受けなければならない。
 厚生労働大臣は、前項の指導をする場合において、必要があると認めるときは、診療又は調剤に関する学識経験者をその関係団体の指定により指導に立ち会わせるものとする。ただし、関係団体が指定を行わない場合又は指定された者が立ち会わない場合は、この限りでない。

(一部負担金)
第74条  第63条第3項の規定により保険医療機関又は保険薬局から療養の給付を受ける者は、その給付を受ける際、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該給付につき第76条第2項又は第3項の規定により算定した額に当該各号に定める割合を乗じて得た額を、一部負担金として、当該保険医療機関又は保険薬局に支払わなければならない。
 次号又は第3号に掲げる場合以外の場合 百分の三十
 七十歳に達する日の属する月の翌月以後である場合(次号に掲げる場合を除く。) 百分の十
 七十歳に達する日の属する月の翌月以後である場合であって、政令で定めるところにより算定した報酬の額が政令で定める額以上であるとき 百分の二十
 保険医療機関又は保険薬局は、前項の一部負担金の支払を受けるべきものとし、保険医療機関又は保険薬局が善良な管理者と同一の注意をもってその支払を受けることに努めたにもかかわらず、なお療養の給付を受けた者が当該一部負担金の全部又は一部を支払わないときは、保険者は、当該保険医療機関又は保険薬局の請求に基づき、この法律の規定による徴収金の例によりこれを処分することができる。

第75条  前条第1項の規定により一部負担金を支払う場合においては、同項の一部負担金の額に五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。

(療養の給付に関する費用)
第76条  保険者は、療養の給付に関する費用を保険医療機関又は保険薬局に支払うものとし、保険医療機関又は保険薬局が療養の給付に関し保険者に請求することができる費用の額は、療養の給付に要する費用の額から、当該療養の給付に関し被保険者が当該保険医療機関又は保険薬局に対して支払わなければならない一部負担金に相当する額を控除した額とする。
 前項の療養の給付に要する費用の額は、厚生労働大臣が定めるところにより、算定するものとする。
 保険者は、保険医療機関又は保険薬局との契約により、当該保険医療機関又は保険薬局において行われる療養の給付に関する第1項の療養の給付に要する費用の額につき、前項の規定により算定される額の範囲内において、別段の定めをすることができる。この場合において、保険者が健康保険組合であるときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
 保険者は、保険医療機関又は保険薬局から療養の給付に関する費用の請求があったときは、第70条第1項及び第72条第1項の厚生労働省令並びに前2項の定めに照らして審査の上、支払うものとする。
 保険者は、前項の規定による審査及び支払に関する事務を社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第129号)による社会保険診療報酬支払基金(第88条第11項において単に「基金」という。)に委託することができる。
 前各項に定めるもののほか、保険医療機関又は保険薬局の療養の給付に関する費用の請求に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。

(薬価調査等についての厚生労働大臣の権限)
第77条  厚生労働大臣は、前条第2項の定めのうち薬剤に関する定めその他厚生労働大臣の定めを適正なものとするため、必要な調査を行うことができる。

(保険医療機関又は保険薬局の報告等)
第78条  厚生労働大臣は、療養の給付に関して必要があると認めるときは、保険医療機関若しくは保険薬局若しくは保険医療機関若しくは保険薬局の開設者若しくは管理者、保険医、保険薬剤師その他の従業者であった者(以下この項において「開設者であった者等」という。)に対し報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、保険医療機関若しくは保険薬局の開設者若しくは管理者、保険医、保険薬剤師その他の従業者(開設者であった者等を含む。)に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは保険医療機関若しくは保険薬局について設備若しくは診療録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
 第27条第2項及び第73条第2項の規定は前項の規定による質問又は検査について、第27条第3項の規定は前項の規定による権限について準用する。

(保険医療機関等の指定の辞退又は保険医等の登録の抹消)
第79条  保険医療機関又は保険薬局は、一月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。
 保険医又は保険薬剤師は、一月以上の予告期間を設けて、その登録の抹消を求めることができる。

(保険医療機関又は保険薬局の指定の取消し)
第80条  厚生労働大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該保険医療機関又は保険薬局に係る第63条第3項第1号の指定を取り消すことができる。
 保険医療機関において診療に従事する保険医又は保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師が、第72条第1項(第85条第9項、第86条第13項、第110条第7項及び第149条において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき(当該違反を防止するため、当該保険医療機関又は保険薬局が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。)。
 前号のほか、保険医療機関又は保険薬局が、第70条第1項(第85条第9項、第86条第13項、第110条第7項及び第149条において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
 療養の給付に関する費用の請求又は第85条第5項、第86条第3項若しくは第110条第4項(これらの規定を第149条において準用する場合を含む。)の規定による支払に関する請求について不正があったとき。
 保険医療機関又は保険薬局が、第78条第1項(第85条第9項、第86条第13項、第110条第7項及び第149条において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定により報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
 保険医療機関又は保険薬局の開設者又は従業者が、第78条第1項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき(当該保険医療機関又は保険薬局の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該保険医療機関又は保険薬局が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。)。
 この法律以外の医療保険各法による療養の給付若しくは被保険者若しくは被扶養者の療養又は老人保健法による医療、入院時食事療養費に係る療養若しくは特定療養費に係る療養に関し、前各号のいずれかに相当する事由があったとき。

(保険医又は保険薬剤師の登録の取消し)
第81条  厚生労働大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該保険医又は保険薬剤師に係る第64条の登録を取り消すことができる。
 保険医又は保険薬剤師が、第72条第1項(第85条第9項、第86条第12項及び第13項、第110条第7項並びに第149条において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
 保険医又は保険薬剤師が、第78条第1項(第85条第9項、第86条第12項及び第13項、第110条第7項並びに第149条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、第78条第1項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
 この法律以外の医療保険各法又は老人保健法による診療又は調剤に関し、前2号のいずれかに相当する事由があったとき。

(社会保険医療協議会への諮問)
第82条  厚生労働大臣は、第70条第1項若しくは第72条第1項(これらの規定を第85条第9項、第86条第12項及び第13項、第110条第7項並びに第149条において準用する場合を含む。)の厚生労働省令を定めようとするとき、又は第63条第2項若しくは第76条第2項(第149条において準用する場合を含む。)の定めをしようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする。
 厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局に係る第63条第3項第1号の指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師に係る第64条の登録を取り消そうとするときは、政令で定めるところにより、地方社会保険医療協議会に諮問するものとする。

(処分に対する弁明の機会の付与)
第83条  厚生労働大臣は、保険医療機関に係る第63条第3項第1号の指定をしないこととするとき、若しくはその申請に係る病床の全部若しくは一部を除いて指定(指定の変更を含む。)を行おうとするとき、若しくは保険薬局に係る同号の指定をしないこととするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師に係る第64条の登録をしないこととするときは、当該医療機関若しくは薬局の開設者又は当該保険医若しくは保険薬剤師に対し、弁明の機会を与えなければならない。この場合においては、あらかじめ、書面で、弁明をすべき日時、場所及びその事由を通知しなければならない。

(保険者が指定する病院等における療養の給付)
第84条  第63条第3項第2号及び第3号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局において行われる療養の給付及び健康保険の診療又は調剤に関する準則については、第70条第1項及び第72条第1項の厚生労働省令の例による。
 第63条第3項第2号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局から療養の給付を受ける者は、その給付を受ける際、第74条の規定の例により算定した額を、一部負担金として当該病院若しくは診療所又は薬局に支払わなければならない。ただし、保険者が健康保険組合である場合においては、規約で定めるところにより、当該一部負担金を減額し、又はその支払を要しないものとすることができる。
 健康保険組合は、規約で定めるところにより、第63条第3項第3号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局から療養の給付を受ける者に、第74条の規定の例により算定した額の範囲内において一部負担金を支払わせることができる。

(入院時食事療養費)
第85条  被保険者が、厚生労働省令で定めるところにより、第63条第3項各号に掲げる病院又は診療所のうち自己の選定するものから同条第1項第5号に掲げる療養の給付と併せて受けた食事療養に要した費用について、入院時食事療養費を支給する。
 入院時食事療養費の額は、当該食事療養につき食事療養に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額)から、平均的な家計における食費の状況を勘案して厚生労働大臣が定める額(所得の状況その他の事情をしん酌して厚生労働省令で定める者については、別に定める額。以下「標準負担額」という。)を控除した額とする。
 厚生労働大臣は、前項の基準を定めようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする。
 厚生労働大臣は、標準負担額を定めた後に食費の状況その他の事情が著しく変動したときは、速やかにその額を改定しなければならない。
 被保険者が第63条第3項第1号又は第2号に掲げる病院又は診療所から食事療養を受けたときは、保険者は、その被保険者が当該病院又は診療所に支払うべき食事療養に要した費用について、入院時食事療養費として被保険者に対し支給すべき額の限度において、被保険者に代わり、当該病院又は診療所に支払うことができる。
 前項の規定による支払があったときは、被保険者に対し入院時食事療養費の支給があったものとみなす。
 被保険者が第63条第3項第3号に掲げる病院又は診療所から食事療養を受けた場合において、保険者がその被保険者の支払うべき食事療養に要した費用のうち入院時食事療養費として被保険者に支給すべき額に相当する額の支払を免除したときは、入院時食事療養費の支給があったものとみなす。
 第63条第3項各号に掲げる病院又は診療所は、食事療養に要した費用につき、その支払を受ける際、当該支払をした被保険者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、領収証を交付しなければならない。
 第63条第4項、第64条、第70条第1項、第72条第1項、第73条、第76条第3項から第6項まで、第78条及び前条第1項の規定は、第63条第3項各号に掲げる病院又は診療所から受けた食事療養及びこれに伴う入院時食事療養費の支給について準用する。

(特定療養費)
第86条  被保険者が、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる療養を受けたときは、その療養に要した費用について、特定療養費を支給する。
 学校教育法(昭和二十二年法律第26号)に基づく大学の附属施設である病院その他の高度の医療を提供するものとして厚生労働省令で定める要件に該当する病院又は診療所であって厚生労働大臣の承認を受けたもの(第13項において準用する第65条の規定により、病床の全部又は一部を除いて承認を受けたときは、その除外された病床を除く。以下「特定承認保険医療機関」という。)のうち自己の選定するものから受けた療養
 第63条第3項各号に掲げる病院若しくは診療所(特定承認保険医療機関を除く。)又は薬局(以下「保険医療機関等」と総称する。)のうち自己の選定するものから受けた選定療養
 特定療養費の額は、第1号に掲げる額(当該療養に食事療養が含まれるときは、当該額及び第2号に掲げる額の合算額)とする。
 当該療養(食事療養を除く。)につき第76条第2項の定めを勘案して厚生労働大臣が定めるところにより算定した費用の額(その額が現に当該療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額)から、その額に第74条第1項各号に掲げる場合の区分に応じ、同項各号に定める割合を乗じて得た額を控除した額
 当該食事療養につき前条第2項に規定する厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額)から標準負担額を控除した額
 被保険者が特定承認保険医療機関から療養を受け、又は第63条第3項第1号若しくは第2号に掲げる病院若しくは診療所(特定承認保険医療機関を除く。)若しくは薬局から選定療養を受けたときは、保険者は、その被保険者が当該特定承認保険医療機関又は病院若しくは診療所若しくは薬局に支払うべき療養に要した費用について、特定療養費として被保険者に対し支給すべき額の限度において、被保険者に代わり、当該特定承認保険医療機関又は病院若しくは診療所若しくは薬局に支払うことができる。
 前項の規定による支払があったときは、被保険者に対し特定療養費の支給があったものとみなす。
 被保険者が特定承認保険医療機関である第63条第3項第3号に掲げる病院若しくは診療所から療養を受けた場合又は同号に掲げる病院若しくは診療所(特定承認保険医療機関を除く。)若しくは薬局から選定療養を受けた場合において、保険者がその被保険者の支払うべき療養に要した費用のうち特定療養費として被保険者に支給すべき額に相当する額の支払を免除したときは、特定療養費の支給があったものとみなす。
 特定承認保険医療機関又は保険医療機関等は、第1項に規定する療養に要した費用につき、その支払を受ける際、当該支払をした被保険者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、領収証を交付しなければならない。
 病院又は診療所は、同時に特定承認保険医療機関及び保険医療機関であることはできない。
 特定承認保険医療機関が第63条第3項第1号の指定を受けたときは、その承認を辞退したものとみなす。
 保険医療機関が第1項第1号の承認を受けたときは、その指定を辞退したものとみなす。
10  第63条第3項第2号又は第3号に掲げる病院又は診療所が第1項第1号の承認を受けたときは、同条第3項の規定にかかわらず、当該病院又は診療所においては、療養の給付(入院時食事療養費に係る療養を含む。)は、行わない。
11  厚生労働大臣は、第1項第1号の高度の医療を提供する病院若しくは診療所の要件を定める厚生労働省令を定めようとするとき、又は第2項第1号の定めをしようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする。
12  第63条から第83条まで(第63条第1項から第3項まで、第69条、第71条、第74条、第75条、第76条第1項及び第2項、第79条第2項、第81条並びに第82条第1項を除く。)の規定は、特定承認保険医療機関並びに特定承認保険医療機関から受けた療養及びこれに伴う特定療養費の支給について準用する。
13  第63条第4項、第64条、第70条第1項、第72条第1項、第73条、第76条第3項から第6項まで、第77条、第78条及び第84条第1項の規定は、保険医療機関等から受けた選定療養及びこれに伴う特定療養費の支給について準用する。
14  第75条の規定は、第3項の場合において第2項の規定により算定した費用の額(その額が現に療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額)から当該療養に要した費用について特定療養費として支給される額に相当する額を控除した額の支払について準用する。

(療養費)
第87条  保険者は、療養の給付若しくは入院時食事療養費若しくは特定療養費の支給(以下この項において「療養の給付等」という。)を行うことが困難であると認めるとき、又は被保険者が保険医療機関等及び特定承認保険医療機関以外の病院、診療所、薬局その他の者から診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、保険者がやむを得ないものと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給することができる。
 療養費の額は、当該療養(食事療養を除く。)について算定した費用の額から、その額に第74条第1項各号に掲げる場合の区分に応じ、同項各号に定める割合を乗じて得た額を控除した額及び当該食事療養について算定した費用の額から標準負担額を控除した額を基準として、保険者が定める。
 前項の費用の額の算定については、療養の給付を受けるべき場合においては第76条前項の費用の額の算定、入院時食事療養費の支給を受けるべき場合においては第85条前項の費用の額の算定、特定療養費の支給を受けるべき場合においては前条前項の費用の額の算定の例による。ただし、その額は、現に療養に要した費用の額を超えることができない。

健康保険法に戻る
社会保険に戻る
法令ユビキタスに戻る

第一款 療養の給付並びに入院時食事療養費、特定療養費及び療養費の支給(第63条―第87条)/健康保険法