第五款 基金の行う業務(第130条―第136条の5)/厚生年金保険法


(昭和二十九年五月十九日法律第115号)

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最終改正:平成一五年五月三〇日法律第54号

(最終改正までの未施行法令)
平成十二年三月三十一日法律第18号(未施行)
平成十五年五月三十日法律第54号(未施行)
 

  厚生年金保険法(昭和十六年法律第60号)の全部を改正する。


     第五款 基金の行う業務

(基金の業務)
第130条  基金は、第106条の目的を達成するため、加入員又は加入員であつた者の老齢に関し、年金たる給付(以下「老齢年金給付」という。)の支給を行うものとする。
 基金は、政令で定めるところにより、加入員の脱退に関し、一時金たる給付の支給を行うものとする。
 基金は、政令で定めるところにより、加入員若しくは加入員であつた者の死亡又は障害に関し、年金たる給付又は一時金たる給付の支給を行うことができる。
 基金は、加入員及び加入員であつた者の福祉を増進するため、必要な施設をすることができる。
 基金は、その業務の一部を、政令で定めるところにより、信託会社(信託業務を営む銀行を含む。以下同じ。)、生命保険会社、農業協同組合連合会(全国を地区とし、農業協同組合法(昭和二十二年法律第132号)第10条第1項第10号の事業のうち生命共済の事業を行うものに限る。以下同じ。)、厚生年金基金連合会その他の法人に委託することができる。ただし、年金数理に関する業務は、厚生年金基金連合会に委託することができない。

(年金たる給付及び一時金たる給付に要する費用に関する契約)
第130条の2  基金は、年金たる給付及び一時金たる給付に要する費用に関して、信託会社、生命保険会社若しくは農業協同組合連合会と信託、保険若しくは共済の契約を締結し、又は投資顧問業者(有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律(昭和六十一年法律第74号)第2条第3項に規定する者をいう。以下同じ。)と投資一任契約(同条第4項に規定する契約をいう。以下同じ。)を締結するときは、政令で定めるところによらなければならない。
 基金は、前項に規定する投資一任契約を締結する場合においては、当該投資一任契約に係る年金給付等積立金(年金たる給付及び一時金たる給付に充てるべき積立金をいう。以下同じ。)について、政令の定めるところにより、信託会社と運用方法を特定する信託の契約を締結しなければならない。
 信託会社、生命保険会社、農業協同組合連合会又は投資顧問業者は、正当な理由がある場合を除き、前2項に規定する契約の締結を拒絶してはならない。

(年金数理)
第130条の3  基金は、適正な年金数理に基づいてその業務を行わなければならない。

(老齢年金給付の基準)
第131条  基金が支給する老齢年金給付は、少なくとも、当該基金の加入員又は加入員であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者に支給するものでなければならない。
 加入員又は加入員であつた者が老齢厚生年金の受給権を取得したとき。ただし、加入員がその資格を取得した月に当該老齢厚生年金の受給権を取得したときを除く。
 老齢厚生年金の受給権者で当該老齢厚生年金の受給権を取得した月以後の月に加入員の資格を取得したものであつて、その年金の額が第43条第3項の規定により改定されたとき。ただし、加入員の資格を取得した月又はその翌月から改定されたときを除く。
 老齢厚生年金の受給権者に基金が支給する老齢年金給付は、老齢厚生年金の受給権の消滅理由以外の理由によつて、その受給権を消滅させるものであつてはならない。

第132条  基金が支給する老齢年金給付は、政令の定めるところにより、加入員の標準給与及び加入員であつた期間に基づいてその額が算定されるものでなければならない。
 基金が支給する老齢年金給付であつて、老齢厚生年金の受給権者に支給するものの額は、当該老齢厚生年金の額の計算の基礎となつた被保険者であつた期間のうち同時に当該基金の加入員であつた期間(以下この項において「加入員たる被保険者であつた期間」という。)の平均標準報酬額の千分の五・四八一に相当する額に加入員たる被保険者であつた期間に係る被保険者期間の月数を乗じて得た額を超えるものでなければならない。
 基金は、その支給する老齢年金給付の水準が前項に規定する額に二・八四を乗じて得た額に相当する水準に達するよう努めるものとする。

第133条  老齢厚生年金の受給権者に基金が支給する老齢年金給付は、当該老齢厚生年金がその全額につき支給を停止されている場合を除いては、その支給を停止することができない。ただし、当該老齢年金給付の額のうち、前条第2項に規定する額を超える部分については、この限りでない。
 第38条の2第1項の規定による申請に基づきその一部の支給の停止が解除されている老齢厚生年金の受給権者に基金が支給する老齢年金給付について前項の規定を適用する場合においては、同項中「規定する額」とあるのは、「規定する額の二分の一に相当する額」とする。

第133条の2  老齢厚生年金(第46条第2項において読み替えられた同条第1項の規定によりその全部又は一部の支給が停止されているものに限る。以下この条において同じ。)の受給権者に基金が支給する老齢年金給付については、前条の規定は適用しない。
 老齢厚生年金の受給権者に基金が支給する老齢年金給付は、当該老齢厚生年金がその全額につき支給を停止されている場合(当該老齢厚生年金(第44条第1項に規定する加給年金額(以下この条において「加給年金額」という。)が加算されているものを除く。)が第46条第2項において読み替えられた同条第1項の規定によりその全額につき支給を停止されている場合であつて、支給停止基準額(同条第2項において読み替えられた同条第1項の規定による支給停止基準額をいう。次項及び第163条の3第1項において同じ。)が、第44条の2第1項の規定の適用がないものとして計算した老齢厚生年金の額(次項において「基金に加入しなかつた場合の老齢厚生年金の額」という。)に満たない場合を除く。)を除いては、その支給を停止することができない。ただし、当該老齢年金給付の額のうち、第132条第2項に規定する額を超える部分については、この限りでない。
 前項の規定にかかわらず、老齢厚生年金の受給権者に基金が支給する老齢年金給付については、次の各号のいずれかに該当する場合には、その額のうち、当該受給権者の当該老齢年金給付を支給する基金の加入員であつた期間に係る第132条第2項に規定する額(以下この項において「当該基金の代行部分の額」という。)から、支給停止基準額から当該老齢厚生年金の額(加給年金額を除く。)を控除して得た額に当該基金の代行部分の額を基金に加入しなかつた場合の老齢厚生年金の額から老齢厚生年金の額を控除して得た額(第163条の3第1項において「代行部分の総額」という。)で除して得た率を乗じて得た額(次項において「支給停止額」という。)を控除して得た額を超える部分については、その支給を停止することができる。
 当該老齢厚生年金(加給年金額が加算されているものを除く。)が第46条第2項において読み替えられた同条第1項の規定によりその全額につき支給を停止されている場合であつて、支給停止基準額が基金に加入しなかつた場合の老齢厚生年金の額に満たないとき。
 当該老齢厚生年金(加給年金額が加算されているものに限る。)が第46条第2項において読み替えられた同条第1項の規定により当該老齢厚生年金の額から加給年金額を控除して得た額に相当する部分の全額につき支給を停止されているとき。
 支給停止額を計算する場合において生じる一円未満の端数の処理については、政令で定める。
 第38条の2第1項の規定による申請に基づきその一部の支給の停止が解除されている老齢厚生年金の受給権者に基金が支給する老齢年金給付について第2項及び第3項の規定を適用する場合においては、第2項中「規定する額」とあるのは「規定する額の二分の一に相当する額」と、第3項中「額(次項」とあるのは「額(以下この項において「在職支給停止額」という。)に当該基金の代行部分の額から在職支給停止額を控除して得た額の二分の一に相当する額を加えた額(次項」とする。

(裁定)
第134条  基金が支給する年金たる給付及び一時金たる給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、基金が裁定する。

(老齢年金給付の支払期月)
第135条  老齢厚生年金の受給権者に基金が支給する老齢年金給付の支払期月については、当該老齢厚生年金の支払期月の例による。ただし、老齢年金給付の額が政令で定める額に満たない場合における支払期月については、政令の定めるところによる。

(準用規定)
第136条  第37条、第40条、第40条の2及び第41条第1項の規定は、基金が支給する年金たる給付及び一時金たる給付について、第36条第1項及び第2項並びに第39条第2項前段の規定は、基金が支給する年金たる給付について、第41条第2項の規定は、死亡又は障害を支給理由とする年金たる給付及び一時金たる給付について準用する。この場合において、第37条第1項から第3項まで及び第40条中「受給権者」とあるのは「受給権を有する者」と、同条中「政府」とあり、及び第40条の2中「社会保険庁長官」とあるのは「基金」と、第41条第1項中「老齢厚生年金」とあるのは「基金が支給する老齢年金給付又は脱退を支給理由とする一時金たる給付」と、それぞれ読み替えるものとする。

(年金給付等積立金の積立て)
第136条の2  基金は、政令の定めるところにより、年金給付等積立金を積み立てなければならない。

(年金給付等積立金の運用)
第136条の3  年金給付等積立金は、次に掲げる方法により運用しなければならない。
 信託会社への信託(運用方法を特定するものを除く。)
 生命保険会社又は農業協同組合連合会への保険料又は共済掛金の払込み
 投資顧問業者との投資一任契約であつて政令で定めるものの締結
 次に掲げる方法であつて金融機関、証券会社その他の政令で定めるもの(以下「金融機関等」という。)を契約の相手方とするもの
 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第198号)に規定する受益証券(証券投資信託又はこれに類する外国投資信託に係るものに限る。)又は投資証券、投資法人債若しくは外国投資証券(資産を主として有価証券に対する投資として運用すること(有価証券指数等先物取引、有価証券オプション取引、外国市場証券先物取引、有価証券店頭指数等先渡取引、有価証券店頭オプション取引又は有価証券店頭指数等スワップ取引を行うことを含む。)を目的とする投資法人又は外国投資法人であつて政令で定めるものが発行するものに限る。)の売買
 貸付信託の受益証券の売買
 預金又は貯金
 運用方法を特定する信託であつてイからハまでに掲げる方法又はコール資金の貸付け若しくは手形の割引により運用するもの
 次に掲げる方法であつて金融機関等を契約の相手方とするもの
 有価証券(証券取引法(昭和二十三年法律第25号)第108条の2第3項の規定により国債証券又は外国国債証券とみなされる標準物(ハにおいて単に「標準物」という。)を含み、前号イ及びロに規定するものを除く。)であつて政令で定めるもの(株式を除く。)の売買 
 イの規定により取得した有価証券のうち政令で定めるものの銀行その他政令で定める法人に対する貸付け
 債券オプション(当事者の一方の意志表示により当事者間において債券(標準物を含む。)の売買契約を成立又は解除させることができる権利であつて政令で定めるものをいう。)の取得又は付与
 先物外国為替(外国通貨をもつて表示される支払手段であつて、その売買契約に基づく債権の発生、変更又は消滅に係る取引を当該売買の契約日後の一定の時期に一定の外国為替相場により実行する取引(金融先物取引所の開設する市場において行われる取引又はこれに類する取引であつて、政令で定めるものに該当するものを除く。)の対象となるものをいう。)の売買
 通貨オプション(当事者の一方の意思表示により当事者間において外国通貨をもつて表示される支払手段の売買取引(ニの政令で定める取引に該当するものを除く。)を成立させることができる権利をいう。)の取得又は付与
 運用方法を特定する信託であつて次に掲げる方法により運用するもの
(1) イからホまでに掲げる方法
(2) 株式の売買であつて政令で定めるところにより証券取引法第2条第18項に規定する有価証券指数その他政令で定めるもの(株式に係るものに限る。)の変動と一致するように運用するもの
(3) 証券取引法第2条第18項に規定する有価証券指数等先物取引及び同条第19項に規定する有価証券オプション取引((2)の有価証券指数その他政令で定めるものに係るものに限る。)
(4) コール資金の貸付け又は手形の割引
 第130条の2第2項の規定は、前項第3号に掲げる投資一任契約について準用する。
 基金は、第1項第4号イ若しくはロ又は同項第5号イからホまでに掲げる方法により運用する場合においては、金融機関等と当該運用に係る年金給付等積立金の管理の委託に関する契約を締結しなければならない。
 基金は、第1項第5号に掲げる方法により運用する場合においては、政令で定めるところにより、年金給付等積立金の管理及び運用の体制を整備しなければならない。
 第1項の運用は、政令で定めるところにより、安全かつ効率的に行われなければならない。

(年金給付等積立金の運用に関する基本方針等)
第136条の4  基金は、年金給付等積立金の運用に関して、運用の目的その他厚生労働省令で定める事項を記載した基本方針を作成し、当該基本方針に沿つて運用しなければならない。
 前項の規定による基本方針は、この法律(これに基づく命令を含む。)その他の法令に反するものであつてはならない。
 基金は、前条第1項第1号から第3号までに掲げる方法(政令で定める保険料又は共済掛金の払込みを除く。)により運用する場合においては、当該運用に関する契約の相手方に対して、協議に基づき第1項の規定による基本方針の趣旨に沿つて運用すべきことを、厚生労働省令で定めるところにより、示さなければならない。
 基金の業務上の余裕金は、政令の定めるところにより、事業の目的及び資金の性質に応じ、安全かつ効率的に運用しなければならない。
 基金は、事業年度その他その財務に関しては、前2条及び前項の規定によるほか、政令の定めるところによらなければならない。

(行為準則)
第136条の5  基金が締結した次の各号に掲げる契約の相手方は、法令及び当該契約を遵守し、基金のため忠実にその業務を遂行しなければならない。
 第130条の2第1項の規定による信託、保険若しくは共済の契約又は同項に規定する投資一任契約
 第130条の2第2項(第136条の3第2項において準用する場合を含む。)の規定による信託の契約
 第136条の3第1項各号に掲げる運用の方法に係る契約
 第136条の3第3項に規定する年金給付等積立金の管理の委託に関する契約

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